長いお付き合いの中で財産の把握が出来ていたことからスムーズな複数の事業承継ができた!
地域の拠点施設 H医院 様(個人クリニック)の成功事例
Q.事業承継される前の当時の状況や、課題を教えてください。
前院長の大先生は昭和37年に個人クリニックを開業し順調な経営をされていました。地元の高齢者が定期的に通院されており典型的な地域のかかりつけ医として人気の高い先生でした。奥様が受付と経理を担当されており、先生が診療に専念できるようご夫婦二人三脚でクリニックの経営を継続されていました。クリニックの経営上の課題があったわけではありませんが、ご先祖から受け継がれた土地を中心とした個人財産が多く、またその種類も宅地のみではなく農地や賃貸アパート、駐車場、クリニック敷地など様々な用途に活用されており、過去に金融機関の提案で相続税対策のための土地活用を積極的に進めておられました。
そのためクリニックの事業所得よりも不動産所得の方が多額であったことが特徴的でした。
よって事業承継にあたっては承継予定者であったご子息にとってはクリニック承継よりも不動産事業の承継の方を強くご心配されていました。
Q.弊社からは事業承継に関して、どのようなアドバイスをさせていただきましたか?
クリニックの承継に関しては大先生がまだお元気な時期に早めにご子息がお戻りになり、数年間は一緒に診察をされていました。しかし大先生は基本的には新患は診察せず、従来のなじみの患者さんのみ診察を継続されていましたので、世間でよく言われている親子間での意見の相違も無く、2人診療体制がもっともスムーズに行えた事例だと思われます。
当社は、ご子息が最も心配されていた不動産事業の方に注意をしていました。
最初に、物件全ての現地を奥様にご案内頂き、実物と申告内容との確認を進めました。現地を見たことで現状の状態を良く理解した上での対応をする事ができました。
また、過去の金融機関の提案で資金繰りには全く困っていなかったにも関わらず多額の借入れをして賃貸アパートを建築されていました。借入金は相続財産からマイナスされるし利息の支払が不動産所得の経費になるからという理由でしたが、その分キャッシュも留保できてしまい、そのキャッシュは相続財産になることや、利息の支払いに関しても確かに経費にはなるが、税金は100%徴収されることは無いので、利息の支払いは無い方が良いことを説明しその時点の残債を一括繰上げ返済して頂きました。
繰上げ返済後は一時的には手元キャッシュ残高が減少しましたが、キャッシュの留保スピードがアップし短期間で元のキャッシュ残高まで戻り、その後もキャッシュは順調に増え続けたため、大先生の相続が発生した時点では相続税の納税の資金繰りの心配は無くなっていました。
Q.事業承継された後は、どのような変化がありましたか?
事業承継後はご子息の奥様も2つの事業(クリニックと不動産)の支援に加わって頂けることになり大先生の奥様の業務の承継も進めることになりました。
また、現在は奥様の相続対策も御相談に対応させて頂いております。
Q.これからの事業承継を考えておられる方に、アドバイス等ございましたらお願いします。
税金や納税資金の準備を検討するにあたっては様々な要素が関わってきます。今が良くても将来に皺寄せがきたり、今が悪くても将来が楽になったりとある程度中長期のスパンで物事を考える必要がありますが、そのような時間のかかる課題を一緒に考え解決に導く仕事が会計事務所の業務の本質だと実感しています。時代の変化によって法律が変わったり、技術革新が進んだりと変化の頻度とスピードが今後益々多く早くなる中で、多方面の情報収集を継続して一人のお客様に喜んでいただける提案内容にカスタマイズするだけの機能が求められているのが会計事務所なのだと痛感しています。
日本経営ウィル税理士法人 藤原 ますみ
Masumi Fujiwara
専門分野:財務管理体制構築支援/管理会計導入支援
経営管理の土台である財務の健全化、管理会計の導入および最適な資金配分をご提案致します。
お金も適材適所が必要です。何でもご相談ください。
事業承継Q&A